クレーム対応は組織の改善活動の始まり
皆さんがクレーム対応は嫌なものと感じられています。本当にそうでしょうか?私は、クレーム対応、特に初期クレーム対応こそが、「患者、利用者満足度を向上させる最大の瞬間である」と考えています。順調に業務が遂行されているときは、患者の皆さんは、どのように感じているでしょうか?職員の皆さんは非常に努力されていると思いますが、しかし、それは患者にとって当たり前の事のです。そのスムーズな流れが滞ることがあります。その原因はいろいろとあります。その一つに患者、利用者からのクレームがあります。

医療機関のサービスプロフィットチェーン

 

クレーム対応は組織の改善活動の始まり

上記の図は、医療機関と患者との関係が友好的であり、互いがWinWinの関係になることのできるチェーンです。
ますは、職員を定着化させなければなりません。医療の現場では、労働集約型の業務でありかつ、高度な専門スキルに支えられています。

そしてその高度な技術は患者にかかわるすべての職員と患者自身を通じて提供されています。

つまり医療や福祉は、職員サイドだけではなく、サービスを受ける患者利用者もまたチームの一員であると私は考えます。だからこそ、良き職員の定着が望まれ、その結果患者との人間関係だけでなく、他の職員との人間会計も良好になるのです。そこからこのチェーンは良い方向へと回りだすと考えています。

重要なポイントは、患者から寄せられるクレームに関する対応なのです。

クレーム対応には2つの側面があります。一つ目に「対患者向け」です。すべての病院、施設は「患者利用者第一主義」を唱えています。本当に第一主義がどうかはクレームにたいして、真摯に対応しているかどうかが大きなポイントです。

職員は自分の勤めている組織が本当に患者利用者の事を思っているかをよく見ています。もし、真摯な対応がなされていなければ、患者が失望するだけでなく、最も失望しているのが実は職員なのです。

もう一つの側面は「職員を護る」ことです。理不尽な患者利用者の要望から職員を守るには当然です。そのための規則や業務フローを作成して実践しなければ、やはり職員は組織に失望します。

実は、クレーム対応は患者満足度を向上させる手段というよりも、職員が安心して満足して働くことのできる重要な手段なのです。

患者、利用者から来るクレームを真剣に考えて対応しようとする姿勢は、患者満足度を向上させることよりも、職員を守ることであるということを認識して下さい。それは結果的に患者満足度を向上させるだけでなく、職員満足度を向上させ、病院や施設の経営にも大きな影響を与えるのです。

 

濱川 博招
濱川 博招

略歴
経営コンサルティング会社ウィ・キャン代表。顧客満足向上のコンサルティングのスペシャリストとして多くのサービス業、医療機関で実績を上げている。医療機関においては、実際の医療現場で発生した膨大な数にのぼる事例研究を通して、リスク回避のためのコミュニケーション等現場に即した研修を実施
著書「病院のクレーム対応マニュアル」「医師・看護師が変える院内コミュニケーション」「毎日が輝くナースのマナー―決定版!患者接遇完璧マニュアル」「できる看護主任・リーダーのコーチング術」人材派遣会社「儲け」のルール」「病院のクレーム 対応の基本」共著等(パル出版)