病院で、患者さんに医療サービスを届けるのは看護師の大切な役の1つ。
そのために看護師の方は、苦労して高度な看護技術を習得しています。
苦労して身につけた看護技術を、患者さんの満足につなげるためにもマナーや接遇は重要です。
本記事では、病院の看護師がマナーや接遇を身につける理由を解説していきます。
看護師をはじめとする病院スタッフの皆さんはもちろん、
患者さんの満足度を高めて病院経営を安定させたい担当者の方も、ぜひ最後までご覧ください。
病院の看護師が接遇やマナーを身につける理由
例えば急性期治療の場合です。
当初、患者さんは病気の治療を目的に病院に来院されますが、
病気や疾病がある程度落ち着くと患者さんは医療技術以外のサービスにも目を向けはじめます。
なぜなら、患者さんは病院に対して、「機能品質欲求」「愛情欲求」「尊厳欲求」「経済欲求」という4つの欲求を持っているからです。
ではそれぞれを詳しくみてみましょう。
・参照元:第一印象が良くなるナースのマナー P30 濱川博招 島川久美子 共著 ぱる出版
ここで重要なのは、接遇やマナーが身についている看護師が患者さんに医療サービスを提供したとき、
「機能品質欲求」「愛情欲求」「尊厳欲求」「経済欲求」のすべてを満たすことができる点です。
たとえば、患者さんの体温や血圧測定といったバイタルチェックの際に
「お体の具体はいかがですか?」
と一言くわえるだけで、患者さんの愛情欲求と尊厳欲求を刺激します。
痛みの少ない採血ができれば機能品質欲求を満たし、
「ちょっとチクッとしますよ」
「すぐ終わりますからね」
と声をかけると愛情欲求と尊厳欲求も満たします。
その結果、患者さんは「しっかり対応していただけた」
と満足して医療費を支払ってくれるため、経済欲求も満たされているのです。
接遇やマナーを身につけた看護師がいる病院に起こること
過不足のない医療サービスを受けられ、患者として丁寧に接してもらうことで
多くの患者さんはその病院を何度も利用するようになります。
そして、病院の安定した経営には利用した患者さんの評価が非常に重要です。
「あそこの病院で、長年悩んでいた病気がよくなった」
「あそこの看護師さんはやさしい人が多い」
といったポジティブな評価は、新規患者さんを呼び込みます。
反対に、高度な医療設備が完備されていたり技術のある専門職員が配置されたりしても、
「あそこの病院は冷たい感じがする」
「今回は利用したけど、次は利用したくない」などと、
患者さんの気持ちが離れてしまうと、病院経営も厳しいものになってしまうでしょう。
医療サービスを気持ちよく患者さんに受け取ってもらうためにも、
接遇とマナーを身につけたスタッフ、とりわけ看護師の存在は病院経営に重要なのです。
終わりに
看護師が接遇やマナーを身につける理由について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
次回は、看護師が身につけたい接遇やマナーについて、より具体的にご紹介します。
看護師の方だけでなく、医師や病院の受付担当の方、看護補助者の方のお役に立つ内容になりますので、
ぜひ次回もご覧ください。