職場で医療者間だけでなく、患者との良好な信頼関係を構築するために
欠かせないコミュニケーションスキル。
代表的なものには、相手の立場に立って話を聴ける”傾聴力”や、
理解しにくい専門的な内容をわかりやすく伝える
”プレゼンテーション力”などがあります。
本記事ではコミュニケーション力のスキルアップを目指し、
具体的な事例を元に対応方法を紹介します。
「患者の話が途切れない……」どうしたらいいの?
原因不明の足の麻痺で入院したAさん。 毎日検査をおこないますが、原因や治療方法が見つかりません。
ある日Aさんは、担当看護師のあなたに次々と質問をし、 悩みや迷いを打ち明けてきます。 このままではいつまでたっても話が途切れません。 まだ朝の10時。 これから他の担当患者の巡視や抗生剤の投与、手術の出棟……。 決められた時間におこなわなければならない業務が詰まっていて、 あなたは気が気ではありません。 |
上記の対応として、適切だと思うものを次の中から選んでください。
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「あなたに聴いてほしい」というサインを見逃さないで!
前述の場面で、普段のあなたはどのように患者に対応しているでしょうか?
話を聴きたいのに、話を聴くことが重要なことは理解しているのに、
時間がないなどさまざまな理由で頃合いを見計らって
話を切り上げてしまうことも少なくないですよね。
このような状況の適切な対応は『3』です。
患者は「看護師なら誰にでも話をする」という訳ではありません。
そして患者は看護師は自分以外にも担当患者がいて、
とても忙しいことを知っています。
それでも「あなたに聴いてほしい…..」。
だから、あなたに話しているのです。
このような状況になったら、
あなたが今置かれている状況を具体的に伝えます。
「あなたの話を必ず聴きたい」
「時間をとって、あなたの思いを理解したい」
そうして必ず約束を守り、じっくりと患者と向き合うようにしましょう。
そして忙しい業務の合間に患者と話す時間を捻出するには、
当日一緒に働くスタッフやリーダー・看護師長の協力が欠かせません。
なぜ患者と話をするのか。
そのためにどのようなサポートを求めたいのかを
具体的に伝えるとよいでしょう。
患者の思いに寄り添えるように、チーム全体で協力するようにしたいですね。
”相手の立場に立ったコミュニケーション”を意識し
スキルに磨きをかけよう
”患者の話を聴く”いわゆる”傾聴”は看護において重要な業務の1つです。
しかし業務に追われてしまうと、傾聴を意識したコミュニケーションが
おざなりになってしまうこともあるかもしれません。
多くの人は、自分に興味・関心を向けてくれない相手には本音を話しません。
患者も同様です。患者と円滑にコミュニケーションを図りたい、
もっと信頼される看護師になりたい方は事例を参考に
コミュニケーションのスキルアップを図っていきましょう。
<参考資料>
1)濱川博招/著 島川久美子/著
看護師長のリーダーシップ ぱる出版
https://x.gd/Xr7af