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新人教育

ティーチングとコーチング。効果的な看護師教育に欠かせない使い分け方

教育では”ティーチング”や”コーチング”、

2つのコミュニケーションスキルを使い分けています。

これらは、スタッフの成長度合いに応じて使い分ける必要があります。

では、コーチングとティーチングをどのように使い分けていけばよいのか、

正しく理解できているでしょうか?

本記事では、看護師の成長段階に応じたティーチングと

コーチングの使い分け方を具体例とともに解説します。

【第一段階】具体的な指示を出す

第一段階は指示を受ける側に十分な知識や経験がない状態です。

新人看護師がこの状態にあたります。

そのため、手取り足取りの具体的な指示が求められます。

第一段階にある人に「あなたはどう思う?」と

自分で問題を解決させようとしても、混乱してしまうだけ。

目標の達成や問題解決にコーチングがよいと言われても、

第一段階にある人には理解するのも難しいのです。

 

 

「うちの病院ではこうやって看護ケアをやっているの。

具体には患者さんに○○のように説明して、△△を準備していくのよ」

このように、ティーチングを意識して理念や考え方なども合わせて

具体的に話すことで、目標や進むべき方向性をしっかりと把握でき、

成長に繋がるのです。

【第二段階】自主性を重視し助言する。考えて成長させる

第二段階は、本人の自主性を重んじる時期。

入職2~3年目の看護師がこの状態にあたります。

仕事にも慣れ、いろいろと疑問を持つ人も増えてきます。

第一段階のように具体的な指示を出しつつも、

理由を考えさせながら指導するのも必要な時期です。

 

具体的な問いかけは、以下のとおりです。

「こうしてはどう?」

「なぜそうしたの?」

「どうして、これをしなければならないの?」

第二段階ではティーチングも意識しつつ、

第三段階を見据えたコーチングも少しずつ取り入れていくと成長に繋がるでしょう。

【第三段階】「あなたならどう考える?」と導く

第三段階は、本人の自己決定を促す時期。

入職3~5年目くらいの、独り立ちを控えた看護師がこの状態にあたります。

 

具体的な問いかけは、以下のとおりです。

「あなたはどのようにしますか?」

「どのように考えますか?」

第三段階では相手の考え方に対し、

良い点・足りない点を指摘しながら答えへと導いていきます。

その際は、ネガティブな側面ばかりを指摘しないように注意しましょう。

いわゆるコーチングが最も効果的なのが、この第三段階なのです。

【第四段階】大きなテーマを与え具体的な対応を考える

第四段階は自己決定ができる時期。

組織に欠かせない役割を担いながら仕事ができる、

いわゆるプロフェッショナルの1人前看護師です。

 

原則的には大きなテーマを与え、

それに対する具体的な対応を考え・実行していく段階になります。

その際、あなたの考えや方針を明確に伝え、

相手がどのように考えているかを確認しましょう。

自分と相手の考え方の相違点を明確にするのも忘れずに。

コーチングスキルを活用し、

周囲を巻き込みながら問題解決ができるようにしていくのが第四段階なのです。

ティーチングとコーチングを上手に使い分けよう

ティーチングとコーチング。効果的な看護師教育に欠かせない使い分け方

前述の各段階の状況とかかわり方、コミュニケーションスキルを改めて振り返ってみます。

段階

状況

かかわり方

コミュニケーションスキル

第一段階

他の人に依存していて自分で解決ができない

具体的に指示を出す

ティーチング

第二段階

少しは自分で解決できる

助言をする

第三段階

だいたい自分で解決できる

指示、コーチングをする

コーチング

第四段階

完全に自分で解決できる

具体的に指示を出す

 

臨床では、第一~四段階までさまざまな段階の看護師が一緒に働いています。

普段は第四段階の経験豊富な看護師でも、

未経験の看護技術においては第一段階レベルの指導が必要になります。

一人ひとりの成長段階を見極めて、

ティーチングとコーチングを使い分けていきたいですね。

<参考資料>

1)濱川博招/著 島川久美子/著

看護師長のリーダーシップ ぱる出版  https://x.gd/mIfAK

 

小田あかり

小田あかり

都内総合病院の現役看護師。看護師×ライターとして、自分にしか提供できない看護を模索中。モットーは看護師の視点から医療の「正しい知識」を「わかりやすく届ける」 。

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