患者の不安には寄り添うことが大切です。
病院にはさまざまな症状の患者さんが来られます。
一見するとたいしたことのないように見える方もいるでしょう。
しかし、患者さんの心は不安でいっぱいです。
対応を間違えると思わぬクレームに発展することがあります。
今回は、患者さんとの寄り添い方を解説します。
◆医療従事者と患者さんでは病気や怪我に対する温度差が違う
医師や看護師などの医療従事者には病気や怪我に対する知識があります。
ですから、症状を見て「たいしたことがない」
とすぐに分かることもあるでしょう。
しかし、患者さんはちがいます。
今はインターネット上にさまざまな情報も溢れているので、
「頭痛」や「腹痛」などでも「重い病気ではないか」と心配になる方もいるでしょう。
そんな不安で一杯なところを、
「たいしたことはない」とあしらわれれば、
クレームに発展してしまいます。
◆「たいしたことはない」は逆効果
看護師の中には
「余計なことを言って患者さんの不安をかき立てるのはまずい」
と思う方もいるでしょう。
しかし、病院にかかる患者さんの中には
「たいしたことはない」と言われると「人がこんなに不安なのに」と
怒ってしまう人もいます。
「たいしたことはありません」「大丈夫です」「よくあることです」
という言葉は、どれも患者さんを落ち着かせるためです。
でも、患者さんにとっては
「馬鹿にされている」「冷たくされた」ととってしまいます。
理不尽に思うかもしれませんが、対応としてはNGです。
◆患者さんの不安に寄り添うことが大切
患者さんが不安を訴えてきたら、
まずは「それは大変でしたね」と不安に寄り添ってください。
これで、患者さんは「自分に共感してもらえた」と安心します。
そのうえで、「でも、この症状ならばそれほど深刻ではありません。
安心してください」と伝えれば患者さんも安心するでしょう。
大切なのは、伝える順番です。
どれほどたいしたことのないように見えても
開口一番「たいしたことはないですよ」は言ってはいけません。
新人教育をする際は、そこを重点的に教えましょう。
まとめ
医療従事者は、1日にたくさんの患者さんを相手にしなければなりません。
ですから「たいしたことがない」患者さんにはつい手間を省きたくなります。
しかし、それがクレームにつながることもあります。
時間がなくても患者さんに寄り添うことを重要視しましょう。