クレームがどのようにして生まれるか

クレームの前には、必ず兆候があります。その兆候が不満や不安そして不平です。

私たちが第三者からサービスの提供を受けようとする場合、有償であれ無償であれ必ず何らかの期待を持ちます。その期待が裏切られなければクレームは発生しません。クレーム発生のメカニズム期待が裏切られた時不満が沸いてきて、場合によってはクレームに発展します。期待以上のサービスが提供されるとすると感激します。ディズニーランドやUSJスタジオは、顧客の期待の一歩先を目指しています。

顧客は何に期待するのでしょう?

医療機関の職員の場合『患者は病気を治しに来ているのだから、高い医療儀靴や看護技術だよ』といわれる方が多いです。

それでは皆さんがレストランに行ったとき思い出しましょう。レストランは食事をするところです。食事が美味しく、満足するもの(値段相応)であることは当たり前です。
「スタッフの対応が悪い」「言葉使いが良くない」「なんとなくざわざわしていて落ち着かない」といった周辺の環境やスタッフの対応で、美味しい料理も台無しになってしまう可能性があります。
これはすべてのサービス業にいえることです。航空機会社も、時間通りに目的につけば顧客の目的は達成できますが、それだけで顧客は満足するのでしょうか?乗務員の態度、手続きの簡便さ等、関わるすべてで満足しなければ不満が発生します。医療機関も同じことです。 顧客には4つの欲求があるといわれています。

顧客の4つの欲求

クレーム発生のメカニズム

私たちはサービスを受けるときにある程度期待しているレベルがあります。例えば、牛丼屋さんで、過度な接客を望むでしょうか?それよりも牛丼が出される時間が問題になります。
店員の対応は悪いが行列のできるラーメン屋もあります。(わたくしはあえていきませんが)つまり、顧客は自分の求めているところへいく傾向があります。しかし、医療機関、特に総合病院は一般のサービス業ほど明確に違いがわかりません。なかなか違いを明確にするのは難しいようです。
そこで、一度、自分達の病院が目指している方向と到達点、そして自分達が目指している職員像を始め以下のようなことを話し合うことをお勧めします。

自分達の病院が目指している方向と到達点を話し合うポイント

1 自分達の病院が目指していること
2 患者が自分達の病院に望んでいること
3 自分達の病院の理念が達成した場合の職員像と現状のギャップ
その話し合いの中で、○○病院パーソン像が出来上がってくると思います。
たとえば服装から考えてみるのも良いかもしれません。

病院の事例紹介

兵庫県の病院では、阪神大震災後に『当員の職員は事務職といえども、患者さんの安心安全のために災害発生時は患者さんを安心に誘導しなければいけない』としてそのための職員像を考えました。クレーム発生のメカニズム
その結果女性事務職の制服を従来ナースシューズにハイソックス、ブラウスにひざ上のスカートという制服を、ナースシューズからスニーカーに、スカートからキュロトスカートに、ハイソックスから足全体を覆うストッキングに変更しました。

色々な考え方があります。患者が自分達に望んでいること、そしてそれを達成するために自分達は何を変えていかなければいけないかを是非話し合ってください。

 

 

 

剣先 あかね

剣先 あかね

ライフハックからクレーム対処法まで、幅広い分野を手掛けるライター。
クレーム対処記事は百貨店からSAまで、幅広い場所で接客業をしていた
経験を活かして執筆中。