みなさん、こんにちは!ウィ・キャンの島川です。
今、病院内の接遇がなぜ向上しないのか、向上するためにはどうすればよいのかと言った課題を解決するために仕事をしています。
前回は、「信頼関係を築くための態度とは」で身だしなみや職場での人間関係についてお伝えしました。
今回は、挨拶はコミュニケーションの第一歩だというエピソードをご紹介します。私は、患者満足度を向上するために実際に院内で活動を支援するために委員会活動に外部委員として参加しています。
以前、医師の方たちを対象に診療時の患者応対について研修したことがあります。その際、患者さんに対して診察室に入ってきたところで
「〇〇さん、お待たせしました。本日の担当の〇〇です。」
と一言挨拶をしてほしいと依頼をしました。
もちろん、研修中はそんなこと当たり前、忙しいと中々むずかしいかもとおっしゃっていたのですが、その後実際に診療の場面で実行してもらったようです。
後日の委員会終了後、ある医師から「患者さんから、こんな手紙もらったよ」と笑顔で手紙を見せてくれました。その医師からは、「初めてでびっくりしましたが、うれしいものですね」とお礼を言って頂けました。
もちろんこの医師ですが、他の医師にも挨拶の効用について機会があるごとに推奨して下さっているようです。
同様に病院内での看護師の離職にも挨拶の有無の影響があることがわかっています。
また、医療業界ではないところでもこのようなエピソードがありました。
新人の職員が更衣室の入室時に「おはようございます」と挨拶をしても、一切挨拶が返ってこない職場に人を紹介したことがありました。
まさか、このような職場だと知っていたら紹介はしませんでした。
結果としては、その方は1週間で退職という結果になってしまいました。
退職時に理由を聞いたところ「朝、挨拶をしても返ってこないので、私は必要のない人間だと思います。だから辞めます」ということでした。
後日、退職したことをお詫びに上がったのですが、その際に退職理由をお伝えしました。しばらくして、その職場の責任者から「更衣室では、挨拶をしない習慣があったようだ」と連絡がありました。
この件以降、その職場では挨拶を慣行するよう活動が始まりました。
今では、挨拶が飛び交い笑顔の溢れる職場になっています。
非常に簡単なことなのですが、自ら挨拶を誰に対してでも共感の態度でできることはコミュニケーションの上で非常に重要な意味をもっており、このことは同じ職場で働く他者とのコミュニケーションの第一歩です。
島川 久美子
略歴
立教大学大学院卒業MBA取得。人材派遣会社立ち上げ、PC等教育フランチャイズ本部で人材育成に携わる。2002年4月株式会社ウィ・キャン(人材ビジネス・人材開発)、取締役に就任。1998年から、企業の立場で人材育成から病院での患者応対に関するコンサルティングを実施する。企業および医療機関における人材育成に関する企画・研修を実施。
著書
「医師・看護師が変える院内コミュニケーション」「毎日が輝くナースのマナー―決定版!患者接遇完璧マニュアル」できる看護主任・リーダーのコーチング術」共著(パル出版)他
「介護現場のクレーム対応の基本がわかる本 (New Health Care Management)」
「医療と企業経営 第6章」共著(学文社)
「ビジネスクリエーターと人材開発」共著(創成社)他