「クレーム対応が苦手である」『嫌である』という理由の一つに、対応の方法がわからないと言う人がいます。頭の中が真っ白になって、相手の言うことが理解出来なくて、ぐるぐると相手の言う言葉が頭の中を回っているだけになるのです。しかし、安心ください。
クレーム対応には方程式があります。その方程式をマスターすればほとんどのクレームには対応できます。
「本当?」という疑問の声も聞こえますが、あまり難しいことではありません。しかし、個人の力では限界があります。まず、院内でクレーム対応の流れを決めておく必要があります。
上記の図は、クレーム対応方法のフローチャートです。院内の誰もが苦情を受けることが前提であり、スピーディな解決ができる事を目的としています。クレームを大きく2種類に分けています。
オレンジの枠は、「Safety Management」下のグリーンの枠は「Crisis Management」と位置付けています。そのうえでクレームを以下の表のように3分類し、誰が解決するかを事前に決めています。
クレーム対応の種類による対応方法
以上のような組織対応を事前に決めて置き、職員に周知させておかなければなりません。ところが多くの病院にはこの前提がありません。なんとなく事務長や看護部長の上司がこじれた場合、もしくは、言われた時にろくに担当者が話も聞かずに変わって対応します。その結果、「うちの職員はクレーム対応ができない」と個人の責任にしてしまいます。中には、クレーム対応は事務長の仕事で、事務長の腕の見せ所とまで豪語される方もいらっしゃいます。果たしてそうでしょうか?確かにクレーム対応は、経験と知識の蓄積が力になります。その事務長がいなくなればどうするのです?組織としてクレームに対応する仕組みつくりこそ大切なのです。