正しい言葉遣いを浸透させる~敬語の使用が信頼につながります~新人看護師や受付の職員の、患者さんに対する言葉が何かおかしいと感じていませんか。 年配の患者さんに対する言葉遣いが気になるといった場面を、日常の中でも多々経験されているのではないかと思います。 敬語を正しく使えないと、そもそも社会人としては未熟であると言えます。院内で仕事をスムーズに進め、職場内や外来の患者さんとのコミュニケーションを密にし、より良好な人間関係を築くためにも、相手に対する「思いやり」をあらわす敬語の使用は避けて通れないことは、言うまでもありません。 最近では、看護の場面や診察場面での医師や看護師の言葉遣いについて、投書などで苦情がたくさん寄せられているようです。 正しい言葉遣いとは、まずもって敬語が使えるということです。自分の使っている敬語が正しいかどうか、あやふやなまま使い続けているスタッフは多いものです。 入職時に簡単に教わっただけで、その後改めて敬語の使い方を身につけようとしている人がどれだけいるでしょうか。院内で、患者さんに対して正しい敬語表現を使えるメリットは、次の3点です。
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① 相手の人格や立場を尊重することができます② 相手の自尊心や優越感を守ることができます③ 人に接する時の「けじめ」を持つことができます適切な敬語の使用は、信頼に足る人間であることを相手に示すことになります。部下にそれを教えるためには、まず、あなた自身が正しい敬語を身につける必要があるのではないでしょうか。
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敬語の3種類を身につける敬語には、丁寧語、尊敬語、謙譲語の3種類があります。 それぞれ相手に応じて使い分けるものですが、敬語の種類と使い分けについて説明します。2008年の春、文部省より敬語を5種類に分類するという方針が出ていますが、ここでは従来の分類に従って説明をします。 丁寧語 相手に対して敬意をあらわし、丁寧な言葉を使います。「~です」「~ます」、頭に「お」「ご」をつける尊敬語 目上の人やお客様に対して、尊敬をあらわす言葉を使います。「~れる」「~られる」「お~なる」謙譲語 自分に関係のある物事について、相手に対して、へり下る言葉を使います。「お~する」「お~いたす」「~させていただく」
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尊敬語や謙譲語には、元の言葉を言い換える方法があります。例えば「言う」です。尊敬語で言い換えると「おっしゃる」です。 敬語は、普段から言い慣れていないと、不自然になりがちです。 日頃、職場の中でも敬語を話すトレーニングをしましょう。 |
略歴
立教大学大学院卒業MBA取得。人材派遣会社立ち上げ、PC等教育フランチャイズ本部で人材育成に携わる。2002年4月株式会社ウィ・キャン(人材ビジネス・人材開発)、取締役に就任。1998年から、企業の立場で人材育成から病院での患者応対に関するコンサルティングを実施する。企業および医療機関における人材育成に関する企画・研修を実施。
著書
「医師・看護師が変える院内コミュニケーション」「毎日が輝くナースのマナー―決定版!患者接遇完璧マニュアル」できる看護主任・リーダーのコーチング術」共著(パル出版)他
「介護現場のクレーム対応の基本がわかる本 (New Health Care Management)」
「医療と企業経営 第6章」共著(学文社)
「ビジネスクリエーターと人材開発」共著(創成社)他