病院の職員が接遇応対を身につけていると、
患者さんやご家族からのクレームが減り、患者満足度が向上します。
その仕組みについて、これから解説していきます。
職員の接遇にお悩みの担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
医療機関を受診する患者さんは、病気による体の痛みや不調に悩まされて病院を訪れます。
中には、「このまま治らないのでは?」「これ以上悪くなりたくない」と不安や焦りを抱えている方も少なくありません。
体の痛みや不調によるストレスで、怒りっぽくなっている方もいます。
病気によるストレスを抱える患者さんにとって
職員の横柄な態度や言葉遣いは、病院に対する不平や不満につながりクレームへと発展します。
また、適切な治療を受けても患者さんにとって期待外れだった場合、
やり場のない気持ちを職員へぶつけてしまう患者さんもいるでしょう。
一方、医療ケアに従事する職員からすれば、
「治療の概要を説明し、同意を得たうえで治療をしているのに、クレームをもらうのはおかしい」と感じる方もいるでしょう。
「接遇より、自分の専門分野だけを考えていたい」と思うのも間違いではありません。
問題は、職員と患者の間にある意識のズレです。
患者目線で考えると、100人の患者さんがいれば、100通りの病院への期待があります。
当たり前ですが患者さんは人間です。
自分の体調や気持ちを、いつも明るく保っていたい。
そのような効果を病院に期待しているのです。
職員にもさまざまな思いがありますが、病気を抱えた患者さんにこちらまで寄ってきて頂くのはむずかしい。
そのため、職員から患者さんに近づく必要があります。
「お大事になさってください」「無理なさらないでください」などと患者さんの目線にたった声掛けをしたり、
「おはようございます」「体調はいかがですか?」といった挨拶を毎回行うだけでも、患者さんやそのご家族の印象は大きくかわります。
また、患者さんからの質問に対して、目線を合わせてから説明を丁寧に行うと、
「しっかり応対してくれた」と感謝の気持ちを持って頂けます。
実は、患者さんが「ありがとう」を口にする時は、職員の接遇応対に対してお礼を言っている場合が少なくありません。
当然ですが、不平や不満が発生する回数は減り、発生したとしてもクレームへ発展することは最小限に抑えられます。
接遇向上に取り組んだ結果は、「患者満足度調査」によって把握できます。
患者満足度が高い病院には、患者さんが再び利用してくれます。
結果、経営が安定し、そこで働く職員の待遇も安定または向上します。
待遇が向上すれば、職員は接遇応対の必要性を認識してくれるため、患者さんへの接遇もよくなるのです。
職員が接遇応対を身につけると、医療機関にとって、高い医療技術を身につけるのと同じくらいメリットをもたらしてくれます。
なお、患者目線についてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
株式会社We_Can|第1回コラム患者目線とは何か?を考える