① 話を聞く場所やタイミングを選ぶ
スタッフや部下、患者さんと話をする場所は、話の内容が他の人に聞かれるような場所でないこと、閉鎖的な狭い空間でないことが重要です。また、話を聞く タイミングも「何かのついで」ではなく、「相手のために時間をとって話を聞く」という気持ちを伝えられるよう、タイミングや場所を設定します。
できれば、仕事をしている同じ場所ではなく、別室を用意することをお勧めします。
② 座り方と相手との距離を設定する
話を聞く時には、正面ではなく相手が斜めになる位置に座ります。この位置ですと、相手との距離を近づ けることができ、正面で座る際の緊張感もありません。相手との距離を近づけることは、物理的距離でもあり ますが、それは精神的な距離を近づけることでもあります。
座る位置ですが、たとえば、テーブルの角と角に座ります。
③ 聞く姿勢と態度
相手の言うことを「受け止める」ことが第一です。まずは、相手の言葉を遮らないで話を聞きます。途中 で否定するような「本当?」「勘違いじゃないの?」といった、疑問を表すような言葉は使わず、「なるほど」 「うん、うん」といった相づちを打って共感しながら聞くことです。
④ 9:1から1:9の理論
話の聞き手になる場合には、最初に聞くのが9割、聞き手が話すのは1割です(9:1)。そして相手の心の状 態が安心していると感じられたら、5:5くらいでしょうか。そして、結論を伝える時は、聞くのが1割、話すの は9割(1:9)と逆転させると良いでしょう。
コーチングなどでは、聞き手が話すのは3割程度とも言われています。しかし、聞き手側の上司は、部下や スタッフの話を聞いていない状況が垣間見られます。ついつい、上司として言いたいことが沢山あって、話し 手になってしまいそうになることもあると思いますが、まずは、相手の話を聞く時間であると認識して、十分 に「聞く」時間をとりましょう。
「看護主任・リーダーのためのコーチングスキル入門」著者 濱川博招、島川久美子より
略歴
立教大学大学院卒業MBA取得。人材派遣会社立ち上げ、PC等教育フランチャイズ本部で人材育成に携わる。2002年4月株式会社ウィ・キャン(人材ビジネス・人材開発)、取締役に就任。1998年から、企業の立場で人材育成から病院での患者応対に関するコンサルティングを実施する。企業および医療機関における人材育成に関する企画・研修を実施。
著書
「医師・看護師が変える院内コミュニケーション」「毎日が輝くナースのマナー―決定版!患者接遇完璧マニュアル」できる看護主任・リーダーのコーチング術」共著(パル出版)他
「介護現場のクレーム対応の基本がわかる本 (New Health Care Management)」
「医療と企業経営 第6章」共著(学文社)
「ビジネスクリエーターと人材開発」共著(創成社)他