医療の進化、医療をとりまく状況の変化に応じて、私たちはよりいっそう、コミュニケーション能力の必要性に気づかされます。今ほど、医療機関におけるコミュニケーションの充足が求められている時代はありません。 その理由としては、職員同士の良好なコミュニケーションが成立して初めて、患者さんに対する適確な治療や看護ができるからです。

医療現場においては、一人の患者さんに対して、何人もの医療従事者が関わっています。少し規模が小さい場合でも、医師一人が患者さんに対応している病院は少ないと思います。

一人の患者さんと職員が直接対応する時間は、わずかであってもその背後にいる何人もが職員が協力し合ってこそ、患者さんを満足させる治療が可能になるのです。

 さて、そもそも医療機関において、職員がコミュニケーションをとる相手とは、誰でしょうか。

患者さんと職員のコミュニケーション

 

まずは、患者さんとのコミュニケーションです。この場合、職員は患者さんに対し、例えば「笑顔」であればその治療方法の情報、さらに、治療法の選択肢とその結果、リスクや安全性を総合的に明示する必要があります。

そのうえで、患者さんの主張をよく聞き、その内容を的確に判断して、患者さんが望む治療が可能かどうかを伝える必要性があります。

医療現場におけるコミュニケーションの基本【前編】
医療現場におけるコミュニケーションの基本【前編】

島川 久美子

島川 久美子

略歴
立教大学大学院卒業MBA取得。人材派遣会社立ち上げ、PC等教育フランチャイズ本部で人材育成に携わる。2002年4月株式会社ウィ・キャン(人材ビジネス・人材開発)、取締役に就任。1998年から、企業の立場で人材育成から病院での患者応対に関するコンサルティングを実施する。企業および医療機関における人材育成に関する企画・研修を実施。

著書
「医師・看護師が変える院内コミュニケーション」「毎日が輝くナースのマナー―決定版!患者接遇完璧マニュアル」できる看護主任・リーダーのコーチング術」共著(パル出版)他
「介護現場のクレーム対応の基本がわかる本 (New Health Care Management)」
「医療と企業経営 第6章」共著(学文社)
「ビジネスクリエーターと人材開発」共著(創成社)他