患者さんへの挨拶が大切だとわかっていても、
「挨拶の本当の意味がわからない」という方や「病院の挨拶が大切な理由を知りたい」
と思っている方も少なくないのではないでしょうか。
本記事では、病院における挨拶の大切さを紹介し、患者さんとの距離を近づける挨拶の方法を解説します。
目次
1.挨拶で患者さんとの距離が決まる
2.患者さんへの挨拶に大切なのは「おじぎ」
3.笑顔は患者さんとの距離を近づける大切な挨拶
挨拶で患者さんとの距離が決まる
ある病院の医師のお話です。
外来で訪れる患者さんへの挨拶をかえたところ、
「これからもがんばって治療します」と患者さんから感謝のお手紙をもらったそうです。
新しく取り入れた挨拶は、次のようなものでした。
医師「田中陽子さん、お待たせしました、診察室へお入りください」
田中さん「こんにちは、よろしくお願いします」
医師「こんにちは、はじめまして。今日から田中さんを担当する〇〇です。一緒に治療をすすめていきましょう」
こちらの挨拶のポイントは、以下の3つです。
- 患者さんをフルネームで呼び、相手の人格や存在を認めている
- 初対面の患者さんに自己紹介している
- 明るい気持ちになれる前向きな声掛けをしている
挨拶には、「患者さんとの距離を決めて、人間関係をつくる」という大切な役割があります。
患者さんは、病気や体調不良を抱え不安な気持ちで病院を訪れています。
そこで、病院のスタッフが丁寧な挨拶をすれば、患者さんはホッと安心できるのです。
医師や看護師、受付の方といった病院スタッフの挨拶が、
「治療を行う病院と患者さん」という人間関係をスタートさせるのです。
患者さんへの挨拶に大切なのは「おじぎ」
挨拶に笑顔とおじぎをプラスすると、その効果は2倍3倍にもなります。
丁寧な挨拶を受けて、気分を悪くする人はいませんよね。
おじぎと笑顔で挨拶されると、ほとんどの患者さんは相手に好感を持ち、心を開いてくれるのです。
丁寧なおじぎについて、ここでは「敬礼のおじぎ」を取り上げます。
敬礼のおじぎとは、相手に敬意を表すおじぎ。
敬礼のおじぎは、患者さんへの挨拶やご家族へのお礼といった場面で使うため、
病院で最も使用するおじぎになります。
やり方は、次のとおりです。
- 背筋を伸ばし、両手を体のまえにおいて軽く握る
- 「おはようございます」などの挨拶を口にする
- 腰を起点に状態を30度前方へ倒す
- ゆっくりと上体を戻す
上体を倒すときは、目線が上目遣いにならないように気をつけましょう。
笑顔は患者さんとの距離を近づける大切な挨拶
笑顔には、「患者さんの不安を取りのぞき、気持ちを前向きにする」という効果があります。
また、言葉にうまくできない思いも笑顔は表現してくれるので、
「話すのがどうも苦手…」という方にもおすすめです。
ニコッと笑顔を見せるだけでも、患者さんの第一印象を良くできますよ。
そして、患者さんに良い印象を持ってもらえる笑顔とは、その人の自然な笑顔です。
たとえば、赤ちゃんをあやすときの笑顔や、
好きな動物と接するときの笑顔、仲の良い友人と話をするときのような笑顔です。
無理な笑顔を続けるのはストレスになってしまうので、
自分が自然に笑顔になっている場面を思い出してみてくださいね。
鏡の前で笑顔の練習をすると、
表情と身だしなみのチェックが同時にできます。
一石二鳥な方法なので、ぜひ試してみてください。