「看護師長が全然働いてくれない」
「あの師長は自分たちのことを考えてくれていない」
自身の理想とする看護師長ではないことに、違和感を覚えたり拒否感を感じたりする人もいるでしょう。
では、理想の看護師長は本当にいるのでしょうか?
現役20年目の看護師が考えてみます。
理想の看護師長はいない
「理想の看護師長」というと多くの人が持つイメージがあります。
技術がしっかりしていて、テキパキとスタッフに指示して、人格者でアサーティブである……。
専門職のトップに立つ看護師長には、おのずと「部署で一番仕事ができる人」というイメージが強くなります。
でもそのような看護師長に、筆者は片手程も出逢ったことがありません。
技術はしっかりしている、人格者で優しいなどよい面もありますが、
決してロールモデルにしたくない面を持つ看護師長がいたのも事実です。
看護師長がデキる人で理想通りというのは、あくまでもイメージの世界。
実際にはかけ離れてしまっていることも少なくないのです。
理想と現実のギャップへの対処方法
看護師長になったからといって急に看護技術ができるようになるわけでも、
人事管理ができるようになるわけでも、コミュニケーションスキルが上達するわけでもありません。
理想と現実のギャップが大きければ大きいほど、看護師長の評価は低くなり不満があふれてしまいます。
まずは、理想とする看護師長のハードルを下げてください。
全てが自分の理想通りの看護師長は、世の中には存在しないのですから。
そして、一つだけでいいので看護師長のいい所を見つけてください。
初めは難しいかもしれません。
「いつも挨拶をしてくれる」「医師とのトラブルの時に、看護師の立場に立ってくれる」
など、ロールモデルにしたいと思えるところが見つかるでしょう。
もしなければ、反面教師として看護師長のようにはならないように
悪い例のロールモデルとして活用してください。
誰もが理想の看護師長と一緒に働きたい、他部署に自慢できる看護師長であってほしいと願っています。
しかし、現実は甘くありません。理想はあくまでも理想。
そう思って現実と向き合っていくしかないようですね。
<参考資料>
1)看護師長のリーダーシップ 濱川博招/島川久美子著 ぱる出版
https://www.amazon.co.jp/dp/482720803