部下一人ひとりが能力を発揮し、お互いを尊重しあいながら共に成長した結果、良い部署が出来上がるのです。
そのためにも看護師長は、適切な教育ができる指導者を育成する必要があります。
本記事を指導者育成の参考にしていただき、部下がより良い指導者になれるよう導いてください。
どのような指導者が必要なの?
実際の医療現場では、どのような指導者が求められているのでしょうか?
現場では対象者が臨床現場に順応し、臨床実践能力を獲得できるように、根気強く暖かい支援が求められています。
すなわち、じっくりと相手のペースを見ながら指導できる人が必要です。
指導者が一人で頑張りすぎる必要はありません。
状況に応じて同僚や上司に相談し、困難な課題を解決できるように働きかけられる能力も大切です。
また新しいスタッフでも、成長途中のスタッフでも同じチームで働く一員には変わりありません。
対象者をチームの一員として尊重しながら関わっていける指導者が、いま求められているのです。
良い指導者になるための5つの条件
良い指導者として頼られる存在になるためには、
自身に与えられた業務を前向きに、ひたむきに実行していくことが前提となります。
そのうえで対象者の考えや立場に近く、気持ちに寄り添える存在でいられるのが望ましいでしょう。
濱川・島川著「新人・後輩ナースを教える技術」では、良い指導者の条件を以下のようにまとめています。
- 自分に与えられた業務に真剣に取り組む
- 新人や後輩の気持ちになって考えることができる
- 自分がわからないことをほかの人に聴くことができる素直な気持ちがある
- 自分の言葉で伝えることができる能力がある
- スタッフと一緒になって考えて結論を導き出す姿勢がある
あなた自身、そして部下は良い指導者でしょうか?
そして部下を良い指導者に育成したいのであれば、
ロールモデルとなるあなた自身がよい指導者でなければならないことを忘れないようにしたいですね。
良い指導者育成のために看護師長がすべきこと
指導者というと「知識が豊かで技術が確立され人格者」。
そんなスタッフを選びたくなりますが、実際に該当する人は多くありません。
小規模な事業所・部署では指導できる人が1名しかいない……というケースもあるでしょう。
初めから完璧な指導者はいません。
けれども看護師長が「良い指導者になるための5つの条件」を理解し、
ロールモデルとして体現するだけで部下は育っていくでしょう。
信頼される看護師長であるためにも、あなた自身が良い指導者であるかを今一度考えてみてくださいね。
<参考資料>
1)新人・後輩ナースを教える技術50 濱川博招/島川久美子著 ぱる出版
https://www.molcom.jp/products/detail/65024/
2)新人看護職員研修 ガイドライン 【改訂版】平成26年2月 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000049466_1.pdf