最近いくつかの病院で患者満足度調査を実施しています。昨年はパンデミックでできなかった調査でしたが、今年になって徐々に実施している医療機関が増えているようです。
パンデミックが始まる前にある病院グループの本部から15年以上継続していた調査から変更したい。その目的は「職員自身が業務改善のできる」ことでした。
約1年かけて、急性期型、療養型、難病型病院ごとに設問項目を作成しました。現場の皆さんは、本当に協力的に助けていただき、本当に病院を改善したいんだなあという気持ちがひしひしと伝わってきました。昨年はパンデミックで調査自体が中止になり、今年実施していただいています。
さて、他の医療機関でも実施していただきました。
最初は、高齢者を中心とした療養型病院で、入院されている患者さん自身が記入できないという理由で今まで調査をされたことがなかったのです。そこで患者の家族に郵送でアンケート用紙を送り、お願いしました。その結果ほとんどのご家族からご返信いただき、私たちとしてもうれしい限りでした。
少し意外な結果が出たのです。その病院はいち早くインターネットによるオンライン面会を実施していました。オンライン面会の項目も入れ設問を作りました。
私たちの予想は、オンライン面会という新たなサービスが患者満足度に大きな影響を与えているのではないか?また面会できないことがマイナスの方向に動いているのではないかと予測しました。
ところが、「全体の満足度」と「面会に対する項目」に、あまり相関関係がないという結果が出てきました。むしろご家族は、本来業務を確実にしているのかどうか、間接的であっても自分の家族の状況をこまめに報告してくれるということに当然のことながら関心があり、全体の患者満足度にも強い相関関係が調査から見られました。
パンデミックという非日常の体験したことのないこの2年間、私たちは大騒ぎをしていたように思います。ひょっとすると見当はずれのことをしていたのかもしれません。
変化に対応することは必要なことです。しかし、もう一つ絶対に忘れてはいけないことは、私たちが本来しなければならないことをきちんとできたかどうか?いやパンデミック以前よりもより一層レベルを上げたサービスの提供を考え、実行しようとしているかどうかが問われているのではないかと思います。
他の医療機関でやはり満足度調査を始めて導入される院長が「今はいいかもしれない。だけどコロナで患者の気持ちも変わるし、住民も環境も大きく変わる。だからこそ顧客の気持ちを聴かなければならない」とおっしゃっていたことが印象的でした。